第23章 緒戦開始
10分間のインターバルの後、第3クォーターが始まった。…テツヤ君が出てる⁉︎大丈夫なのだろうか。リコ先輩のことだから何か考えがあるのかもしれない。
桐皇ボールからの開始早々、5番の人にボールが渡る。
速い‼︎
火神君をあっさり抜いて木吉先輩のヘルプも間に合わないと思われた時、テツヤ君がファウルを受けて吹っ飛んだ。大丈夫なのテツヤ君⁈
高尾「今の火神が抜かれる前から動いてたな」
緑間「青峰に黒子の動きがわかるなら、その逆もあるのだよ」
だからって無茶しないでテツヤ君。
誠凛ボールになりテツヤ君の加速するパスから日向先輩の3Pで後半最初の得点を決める。以前なら火神君しか取れなかったパスを、今では全員が取れるようになっているのだ。だが、すぐさま桐皇にゴールを決められてしまう。再び誠凛ボールになった時、それは起きた。テツヤ君のマークに、4番の人がついたのだ。そして徹底的な密着マークをする。それはテツヤ君の視線誘導が封じられたことを意味していた。
穂波「テツヤ君の視線誘導が効かないなんて…」
緑間「恐らくは桃井の策なのだよ。だがそれをここまで完璧にできる男がいるとはな」
テツヤ君を完璧に封じながら、4番の人はスティールから3Pを決める。嫌な所で決めてくる人だなぁ。お返しとばかりに日向先輩が不可侵のシュートを打とうとするが、9番の人が張り付いて打たせない。これも多分桃井さんの策だろう。桐皇が徐々にその本性を現し始めた。