第23章 緒戦開始
第2クオーターが始まった。
開始早々テツヤ君と5番の人が1on1になる。嫌な予感は当たってしまった。テツヤ君のドライブは止められ、そのまま点を取られてしまった。何故止められたのかわからないでいた私に、緑間君は説明してくれた。相手が目を閉じていて、テツヤ君の動きを感じて止めたのだと。
穂波「そんなこと…できるの⁉︎」
緑間「青峰は黒子のかつての相棒だ。黒子がどう動くのか一番わかっているのは奴なのだよ」
テツヤ君が止められたことでチーム全体に動揺が走る。中でも一番動揺しているのは当のテツヤ君だった。誰もフリーになっていないのに新技のパスを出す。そして、それすら5番の人は片手で受け止めてしまった。呆然とするテツヤ君を抜いて、そのままゴールを決める。悪い流れは続くもので、スティールから連続得点を許してしまった。どうしよう、このままじゃどんどん引き離される…。
リコ先輩が取ったタイムアウトでなんとか6点差で抑えたものの、テツヤ君は交代させられてしまった。悔しいだろうなテツヤ君。見ていることしかできないのが歯痒くて仕方ない。それでも応援することしかできないのだ。頑張って、みんな、頑張って。
タイムアウトが明け、誠凛ボールで試合が再開された。また火神君対5番の人になるかと思いきや、木吉先輩へのパスで一本返す。そこから火神君と5番の人の激しい勝負が始まった。どんどん速さを増していく5番の人に対して決して引けを取らない火神君。本気を出した5番の人を何度も止めていく。素人の私にでもわかるハイレベルな展開。残り3秒で火神君にボールが渡る。これを決めれば同点で終われる。火神君が放ったシュートは5番の人と同じ型のないシュートだった。だがブロックに跳んだ5番の人の指にかすったのか、シュートは外れてしまう。結局2点差で前半は終わった。