第22章 開幕
ゾッとするほど冷たい目を向けられてすくみあがる。テツヤ君が私を背中に庇うように間に入ってくれた。
黒子「僕の彼女ですよ赤司君。応援に来てくれたんです」
赤司「へえ…テツヤの彼女をどうして真太郎も敦も涼太も知っているんだ?」
赤髪の少年は私の方を向いたまま3人に話を向けた。
緑間「夏の合宿の宿泊先が誠凛と同じだったのだよ。小坂はマネージャーとして参加していたのだよ」
紫原「インターハイの後でストバスの大会見に行ったらお菓子くれたー」
黄瀬「黒子っちに彼女がいるって聞いて文化祭の時に会いに行ったッス」
口々に続ける3人にかぶせるように桐皇の5番の人が口を開いた。
青峰「さつきの言ってたテツの女ってのはお前のことか」
赤司「大輝も知っていたのか?」
自分だけ知らないことに気分を害したのか、声のトーンが不機嫌なものになった。
青峰「さつきから話だけは聞いてたからな、テツがベタ惚れだって」
さつきって桃井さんのことだよね?なんでここで桃井さんの名前が出てくるの⁈何がなんだかわからなくなってきた。相変わらず赤髪の少年は冷たい目で見下ろしてくる。
赤司「テツヤがそこまで入れ込むとはね…ますます興味深いな」
そう言って値踏みするような視線を向けてくる。ホントなんなのこの人⁈いろんな意味で怖くなって、テツヤ君の背中に隠れるように小さくなる。