第20章 邂逅
リコ「珍しく随分強気に出たわね穂波。見ててヒヤヒヤしたわ」
穂波「テツヤ君のことは譲れませんから。今カノの意地ってヤツです。それよりリコ先輩、私が入ってくる前に何かあったんですか?すごい険悪な雰囲気でしたけど」
リコ「まあね…緒戦の相手が決まったの。ウチは桐皇と対戦することになったのよ」
穂波「え?同じ東京の代表校なのに一回戦で当たるんですか⁈」
リコ「基本的には同じ都道府県の代表校は一回戦では当たらないことになっているんだけど、今年は特別なの。桐皇は特別枠で選ばれた学校だから例外なのよ」
穂波「それで一回戦で当たるんですね…。あ、だからあんな険悪だったんですか?」
リコ「そうよ。あの子自分達が負ける訳が無いっていうから、ウチの男どもだってそんなヤワじゃないって言い返してやったの」
穂波「リコ先輩も相当強気ですね。まあ、私だったとしてもそれくらいは言い返してましたけど、きっと」
リコ「こんなところで私が負けてたら試合になんて勝てないでしょう?」
確かに。それにしても桃井さんって敵にまわすと厄介なタイプだなぁ。
穂波「これは合宿組んでて正解でしたねリコ先輩」
リコ「まったくだわ。練習5倍でも足りないくらいよ」
リコ先輩…お気持ちはわかりますがそれ以上は死者が出ます。
ウィンターカップまで後約一ヶ月。私にできることはなんだろう。私は正式な部員じゃないけど、何かできることがあるはずだ。まずは今回の合宿のお手伝いから始めよう。私だってみんなと一緒に勝ちたいから。
テツヤ君には桃井さんに会ったことは言わないでおこうっと。心配かけちゃうといけないし、今はバスケに集中してもらいたいし。私はその間にテツヤ君に選んでもらえるようないい女にならなくちゃ、ね。