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ねぇ、赤司君。

第3章 入学


主人公 視点




入学式から一日。
授業があるらしい。それと、部活動見学も。





登校していると、前に赤い髪が見えた。
全く、桜との配色が決まっている。
絵になるな。

赤司 征十郎さん。







だが、流石に話かけるまでは行けなくて15mぐらいの距離を保って歩く。
















すると、急に立ち止まり後ろを向いた。
凝視されてる気がするが、勘違いだと恥ずかしいので特になにもせずに歩く。








あと一歩。



「波賀内早苗さん、 で、あってるかな。」




どうやら私の平凡な日常は壊れてしまったらしい。



























「はい。そうですが‥‥‥。


何か御用ですか?赤司征十郎さん」





「おや、名前を知っているのか。


それは光栄だな。」


なんて、策士のような笑みを浮かべて言ってくる。


挑発的なその顔は、彼には似合いすぎた。










「はい。もちろん存じておりますよ。


新入生代表の赤司さん?」



と、気が引く発言をしても、彼は表情を変えずに








「お褒めの言葉をありがとう。

学年主席の波賀内さん?」









自分が一瞬、顔を歪ませてしまったのがわかった。






「何故、それを?」


「見た感じ君かな と」









ありえないとおもった。






なんと言っても効率性を重視するであろうこの彼が、自分の考えだけで人に問いかけている。













「では、その理由を教えていただきたいですね。」





「あぁ、いいだろう。




式中、周りに動じず姿勢を正し、近寄らせないような雰囲気を醸し出していたのが君だったから。




かな」











絶対に違う。
この人は私がどんな人間なのかわかっている。





わざわざ"姿勢を正し"と言ったのは波賀内家のことを指しているのではないだろうか。


古風な家も、彼ならば知っていそうなのだ。















「諦めました。では、これからよろしくお願いします。」


「あぁ。こちらこそ」

彼と張り合うことを諦めたと同時に



彼と釣り合う女性になれるのも諦めた。
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