第3章 弱気
いきなり腹に刺激を受けた神田は、
小さくうめき不機嫌そうに傍らのアレンをねめつけた。
人の安眠を邪魔しやがって、とイライラしたけれど
少し経って、アレンがベッドに運んでくれたのだと
思いつく。
まもなくアレンもゆっくりとまぶたを開き、
神田に微笑みかける。
「調子はどうですか?お水要りますか?」
いつもより優しく問うアレン。
二日酔いで頭もボーッとしていた。
大切な恩人…アレン・ウォーカー。
こいつがノアにのまれたら、
もうこうやって悪態つくことも出来ない。
ありがとう、と言うことも出来ない。
愛することも…出来ない。
神田は珍しく弱気になっていた。
大切にしたい、
今こうして平和に過ごしてるのは
つかの間の休息なのだから。