第4章 死神に
「…今、なんて?」
「惣右介様!私、死神になりたいです!」
2週間ぶりに帰ってきた藍染と会えた事にテンションを上げつつ、興奮しながら主人公の名前は伝えた。
「…」
「ダメ…ですか?」
考え込む藍染の顔を覗き込むように見る主人公の名前は、あからさまにしょんぼりしている。
「いや、遅かれ早かれいずれ君は死神になりたいと言うと思っていたよ」
「じゃ、じゃあ…」
「いいよ、但し真央霊術院の試験は来年受けなさい。それまでに、勉学に修行に励んでくれ」
そう言うと藍染はそそくさと自室に行ったかと思ったら両腕に大量の本を抱えてやってきた。
その本の表紙には、「鬼道」「剣術」「現世」といったものが多く見られた。
「これは…?」
「僕は、死神になるためにこれで学んだんだ。これを見て勉強しなさい」
「あ、ありがとうございます!」
多くの本を前に、主人公の名前は心が弾んだ。
外出させてもらえない主人公の名前には、
新しいことを学ぶという事はそれこそ、新しい玩具を与えられたかのような喜びなのだ。
「私、たくさん勉強しますね!」
「あぁ、私が帰ってきた時には剣術を教えよう」
「はい!」
本を抱え、主人公の名前は年相応に無邪気に笑った。