第4章 死神に
「…あの、惣右介様」
「なんだい?」
「その…次はいつ帰って来られるんですか?」
申し訳なく、遠慮深く問いた主人公の名前の姿に、藍染は少しの笑みをこぼしたが、すぐに表情を固くした。
「実は、忙しくなってね…また暫く会いに来れないかもしれない」
「…そう、ですか」
「すまない」
深々と頭をさげる藍染に、主人公の名前は否定の意味を込めて手を必死に横に降る。
「い、いえっ…私こそ甘え過ぎですよね。すいません」
「君が謝ることないさ」
「そんな事は…仕事の方が大切ですし、頑張ってください」
「あぁ、早めに仕事は片付けて帰ってくるよ」
朝、目が覚めるとそこに藍染の姿はなかった。
朝食を取り、屋敷の縁側に腰掛けて青い空を見上げた。
近くから人の声がする中、目を閉じて物思いに耽る。
目を閉じて浮かぶのは、やはり藍染。
優しくこちらに微笑みかけてくれていて、自然に笑みが零れる。
しかし、目を開けてもその藍染は居なく虚しくなるだけだった。
こうも会えないと、思いだけが募り募って山のようになる。
親のように、兄のように…私を育ててくれた彼を、私は慕っているのだ。
だから尚更、会えないのが辛い。
「…あ」
頭の中で何かが冴えた。
自分にしては妙案である。
「死神になろう」