• テキストサイズ

貴方に愛焦がれ従って BLEACH

第3章 藍染惣右介



「ただいま…⁈」


藍染が部屋に入ってきた瞬間、目を見張った。

その目線の先には本が山積みになっていたからだ。
その本は、藍染本人が幼少期に読んでいたものであった。

そんな本の中にいた主人公の名前は、
藍染を見ると申し訳なさそうな表情になった。


「これ…」

「ごっ、ごめんなさい…勝手に」

「いや、これ…全部読んだのかい?」

「…はい」


驚いて目を見開く藍染と裏腹に主人公の名前はシュンとしていた。


「謝ることないさ。凄いな、こんな量を短時間で…」

「惣右介様…」

「…え?」


様付けで驚いた藍染は、また目を見開く。

子供目線で、名前呼びが普通だと思っていた主人公の名前は、「惣右介様」と呼ぶことを選んだ。

主人公の名前は恥ずかしそうに、
少しの笑みを浮かべてはにかんだ。


「嬉しいな…ここに来て、初めて笑ってくれた」


それを聞いて、また恥ずかしそうに笑う主人公の名前に、藍染もまた微笑む。


「でもなんで様付けなんだい?」

「この本に書いてあったの。目上の人、敬意を示す呼び方だって」

「…そうか」


成る程、と合点がいった藍染は微笑み、
また主人公の名前の頭を優しく撫でた。

家族を無くしたショックが、少しだけ…ほんの少しだけ、和らいだ。

/ 53ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp