第9章 就任
真央霊術院の応接間に引きずられるようにやってきた主人公の名前とギンは、ただ宙をボーッと見ていた。
「なんやボクら悪い事した?」
「いや何も…」
大きなソファにベッタリと背中をくっつけていた。
身に覚えがなく、何かしたのだろうかと熟考してると応接間の扉が開いた。
「今、会議が終わった」
「会議?」
入ってきたのは少し厳つい私達のクラスの担当教師だった。
「あぁ。お前達二人を特別進級制度で来期には卒業させるというな」
「あらぁ…そら凄い」
したたかに笑うギンを私は横目で確認し、拳に強く力を入れた。
…これで、死神になれる。
彼の側にいられる…力になれる。
_____彼の、目的の為に。
「勉学、鬼道。はてには始解まで出来る。そこらへんの死神よりもお前らは強い」
「そんな事あらへんよ〜大袈裟や」
「…初めて会った時、お前達からはあり得ないくらいの霊圧を感じてたからな。ま、頑張れよ。お前らならすぐ席が用意されてるさ」
肩をポンと叩く教師に、小さく頷き、私とギンは応接間から出た。
「…」
「…」
特に言葉を交わすことなく、
お互い静かに笑いあった。