第7章 市丸ギンと私
「…主人公の名前は藍染さんが全てなんか」
「そう、あの人がいたから私がいるの。
彼を傷つける奴がいたら、私はそいつをぶっ殺す」
主人公の名前の瞳には、揺るがない思いが宿っていた。
その気迫に、ギンは恐怖を感じた。
「女の子がぶっ殺すなんて言うもんやないで」
「そのくらいの心意気ってことよ」
「…ほうか」
ギンは、複雑な心境だった。
自分は、藍染を倒す。
しかしこの少女は、藍染に敵対する奴は討つと誓う。
主人公の名前は、藍染の企みを知らない口振りだった。
しかし警戒を解いたわけではない。
もし主人公の名前が藍染の企みを知らずとしても、仲間に入り転がることは十分可能だからだ。
「…さ。今日はもう授業はないし、お互い寮に帰ろう」
先ほどの気迫とは裏腹に、
主人公の名前の透き通った漆黒の目が、ギンを見据えた。
少し強い風が吹き、それに揺れる黒髪は優雅で、主人公の名前の艶やかさを引き立てるには充分なものだった。