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貴方に愛焦がれ従って BLEACH

第6章 真央霊術院


「第一班、前へ」

「「はいっ」」


先生の掛け声で、第一班の生徒は返事をして立ち上がる。
主人公の名前も第一班だが、無言で立ち上がった。


「破道演習、始め!」


先生の合図で各々が手を翳し、破道の三十一 赤火砲の詠唱を始める。

詠唱を終え、次々にマトに向かって打った。
が、まともにマトへ届く者は居なかった。


「…おい藍染!はやくしろ!」


ただ突っ立っていた主人公の名前を不審に思っていた先生に、注意をうけた。


「…破道の三十一 赤火砲」


左手を前に突き出し、そこから破道が飛び出す。
飛び出した破道は、真っ直ぐマトへ向かい…

大きな爆音と爆風が響き渡った。



「…」


砂煙が去る前に、主人公の名前はその場から去って後ろの列についた。

砂煙が薄くなり、見えてきた視界の先にはマトを貫通し、更にその向こうにあった壁に穴があいていた。


「な…っ」

「嘘だろ⁈」

「しかも詠唱破棄かよ…⁈」

「流石主席…」


周りから送られる目線。
…しまった、やり過ぎた。


「私語は慎め!…第二班、破道演習始め!」


仕切っている先生だが、
その顔色からは困惑が広がっていた。


「ひゃあ…あら凄いなぁ」


いつの間にか主人公の名前の隣にいた市丸が、小さな声で話しかけてきた。

飄々とした姿勢の市丸に、いい加減ウンザリする。



「第三班、前へ!」

「よっ…じゃあやってくるわ」


膝を抑えながらゆっくり立ち上がった市丸に、ジジイか。と心の中でツッコミを入れておいた。


前へ進む市丸の顔は、初めて見た表情だった。
笑顔でなく、瞳は見えないけれどしっかりと前を見つめているようだった。


一応、どれほどの実力なのか見ておくことにした。
市丸は手を突き出した。
飄々とした姿勢は変わらなかったが、その気迫には、思わず息を飲んだ。
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