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貴方に愛焦がれ従って BLEACH

第6章 真央霊術院




やっと担任の話が終わり、各自解散となった。
主人公の名前は寮生活になるから、その足で寮に直行しようと席を立った。


「なぁ、ちょっとええ?」

「…」

「ボク、市丸ギン。君の名前教えてくれへん?」

「…」


市丸ギンと名乗る少年はしつこく
なぁなぁ教えてーやと言い寄ってくる。


「ほら、なんか他の人達はみんな年上やん?ボクら、同年代みたいやし…仲良うしてぇや」


この市丸が言うことも最もで、
周りには同年代らしき人はいない。

これ以上しつこくされても困る。
そう判断した私は、溜息をつきながら答えた。


「…主人公の名前」

「主人公の名前?苗字は?」

「…藍染主人公の名前」



言った瞬間、市丸の纏っている空気が変わった。
重くのしかかり…息苦しいものに。

だがそれはすぐに消え去り、疑問だけが残った。
さっきのは一体…

この市丸は、惣右介様に関係でもあるのだろうか。


「ひゃあ…藍染家のお嬢さんか」

「…違う」


ワザとらしいそのリアクションに、
主人公の名前は一拍置いてからそれを否定した。


「え?でも今、藍染て言うたやん」

「…もういい?帰りたい」


わざわざ拾われた身です
なんて教える気にもならず、教える気もなかった。
初対面の、あまり本心の読めない怪しいコイツに教えたくもなかった。


「そか、ほな明日な」

「…」



主人公の名前は何も答えず、その場を立ち去った。

取り残された市丸ギンは、その場から去る主人公の名前の背中を、淡い水色の瞳で見据えていた。

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