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貴方に愛焦がれ従って BLEACH

第6章 真央霊術院



朝日が差し込むこの部屋で、
黒く艶のある髪をポニーテールに結び、鏡の前で降って確かめた。
配給された朱の袴に身を包み、大きく深呼吸する。

まだ着慣れず、ソワソワしていると部屋の外から声がした。


「主人公の名前、いいかな?」

「はい」

「おはよう」


スーッと戸が開き、
そこには久しぶりに見る死神装束の惣右介様がいた。


「…珍しいですね、その着物」

「あぁ、ここでは着ないようにしてたからね…主人公の名前も似合っているよ」

「そうですか?」


惣右介様の前でクルッと一回転してみる。
袴の裾が舞い、可憐さを引き立てた。


「そうそう…」


おもむろに惣右介様は袂に手を入れ、何かを探した。


「あぁ、あったあった。これを君に」


惣右介様の手の上に乗っていたのは、チリカンという種類の簪だった。

惣右介様から受け取って翳してみる。
金色の簪で、揺れると隣同士がぶつかり合い、チリチリと音がした。


「綺麗…」

「入学祝いだよ」

「ありがとうございます、惣右介様」


早速貰った簪を結った付近に挿した。
近くに惣右介さんがいるように感じて、ひどく安心した。


「では惣右介様、行ってまいります」


背筋をピンと張り、しっかりと惣右介様を見据えた。

拾われたばかりの当時より、惣右介様との距離が縮まった。
身長的な意味でも、心の距離としても。


「学んでおいで、主人公の名前」

「はい!」


明るく弾けた笑顔に、藍染は目を細めた。
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