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貴方に愛焦がれ従って BLEACH

第5章 修行


「時がきたら話すさ…あぁそうだ」


何か思い出したかのように、手をポンっと鳴らしたかと思ったら顔が急接近していた。
素早い動きで顎をクイッとあげられた。

え?
と思ったのもつかの間、私の唇に何か柔らかい感触。

それが接吻…いわゆるキスというのに理解するのに、時間はそう掛からなかった。


「…っ⁈」

「そんな愛しい顔を、他の男の前でしないでくれよ」


妖しく笑いながら藍染は自身の唇を舌で舐めとった。
その僅かな仕草がとても色っぽくて
より主人公の名前の顔が火照った。


「な、なんで接吻なんか…」

「主人公の名前が愛しいからに決まってるだろう?」

「っ…」


さも当たり前のようにサラッという藍染に主人公の名前は混乱していた。

惣右介様の雰囲気がいつもより色っぽくて…なぜか、胸がきゅっと締め付けられるように痛くなった。


「それと…」


恥ずかしくて俯いていた私の肩に、惣右介様は手を置いた。
不思議に思って顔を上げた瞬間、惣右介様は私の首に顔を埋めたと思うと同時に、首筋に痛みが走った。


「いっ…」

「…印だ」

「しるし?」


また藍染は妖しく笑い、
その表情が月明かりに照らされて美しく輝いた。


「主人公の名前は私のだという、印だ」

「…」

「これ以上もやりたいけど、君はまだ幼いからね」


そう、主人公の名前の見た目はまだよくて12歳。
大人びている主人公の名前でも、流石に藍染にも罪悪感がある。


「これ以上?」


見た目と同時に中身もまだ幼い。
これ以上、という意味深を理解出来ていなかった。


「ふ…そろそろ寝るか」

「ちょ、これ以上ってなんですか?」

「まだ知らなくていいさ」

「そうやって有耶無耶にする…」


藍染の袖を引っ張り、いじけるフリをしてみる。
いや、特にどうこうなる訳じゃないけども。


「…」


口角を上にあげて冷静さを表していたままの藍染だが


なんだこの可愛い生き物
あぁもう愛しい
抱き締めたい
好きだ、愛しいと伝えたい
私の色に染め上げたい


僅か0.5秒の間に心中でこれを叫んでいたのは、主人公の名前は知る由もない。
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