第4章 死神に
「ほ〜〜ぉおおおん?」
「いやだから誘拐とかでは無いです」
「ふぅうううううん?」
「しつこいですよ」
藍染の顔を舐めるように覗き込む、金髪の五の白い羽織を羽織った人に
藍染は的確にパンチを入れる。
「いててて…しっかしなぁ、怪我人居なかっただけ幸運やと思えよ嬢ちゃん」
真面目な顔つきになったと思ったら
ずいっと主人公の名前に近づき、頭を鷲掴みにした。
あの暴発からてんやわんやで、戻ってきた藍染により主人公の名前は五番隊隊舎に連れて来られた。
「⁈」
「…確かに霊力あるなぁ」
「でしょう、平子隊長」
誇らしげに藍染は微笑むと
主人公の名前の頭を鷲掴みにしている手をつねっている。
が、この平子という奴は微動だにしない。
「けど高度な鬼道ができる程の霊力ではない…あれはまぐれか?」
「霊力…?これですか?」
「…っ⁈」
常日頃から、自分の中の「何か」を抑え込んでいる。
方法は、読んだ本の中に書いてあった。
抑え込んでいたのを解放すると、
周りの空気が変わった。
重い鉛のようなものが、体全体にのしかかってくるようで平子は冷や汗をかきながら冷ややかに笑った。
「あー…もうええ、閉じ」
「…」
「たいしたもんや、嬢ちゃん」
優しく頭を撫でる平子に、主人公の名前はたじろいだ。