【黒子のバスケ】人を外見で決めては絶対いけません!
第16章 下駄箱のおまじない
「これは?」
黒子君は床に落ちた手紙を見るとそう言った。
「黒子君じゃないの?」
私はてっきり彼だと思っていたものだから、随分な悪戯をするな、なんて思ったけど、どうやら違うらしい。
彼は、手紙を一つ床から拾い上げ中身を確認する。
私もつられて黒子君と同じ行動をした。
同じように手紙を開いてみれば、
「お前の好きなところ、34…その類い稀無き純白な肌」
ピンク色の紙にはそう書かれている。
半ば、放心しながら次々と手紙を開く。
お前の好きなところ19、何か考えているようで何も考えていないところ。52、多種な変顔。37、決まった異性がいないところ。91────。
十数枚読んだだけだが、最初に読んだきり、褒め言葉が書かれたものは無かった。
「なに。この人私の事嫌いなの。」
間近にあった手紙を、また1枚拾い、そしてその紙を私は引き裂いた。少し見えたが、その中身はやはりマイナス。
正体が分からない人物からのこう言った言葉はこんなに頭にくるものなのか。
黒子君に同意を求めようと、彼の方に向き直ったが、彼もまた指を顎に当て何かを考えている。
「どうしたの。」
「…」
反応は無し。
全く。私が無視すると、チョップいれてくるくせに。
自分は良いんかい。