【黒子のバスケ】人を外見で決めては絶対いけません!
第14章 これは運命なのだよ
「ちょっと、離してください。」
「嫌だね。おもしれーじゃん。見てようぜ。」
ボクは高尾君に拘束されていた。
高尾君はボクよりも体格が良いから、押さえつけられればボクの力ではどうにも出来ない。
黄瀬君はガラ空きだから、渾身の一撃を食らわして怯ませる事ができるけれども、彼は目敏いから、簡単にボクが動けないように出来てしまう。
すごく厄介だ。
「彼女、困ってるじゃないですか。助けに行かないと。」
「違うだろー」
ボクがそう言うと、ニヤリと笑って彼は反論する。
「困ってるからじゃなくて、取られたくないんだろ?」
痛いところを突かれて、一瞬身体が硬直した。
やはり、彼はあの光景を見ていたのか。
なら隠す事は何もない。
「だから何ですか。ボクが籠橋さんが好きだろうが何だろうが、キミには関係ないでしょう。」
「まーな。」
でも、と付け足し高尾君が声を発する。
「多分、真ちゃんとあの子、結構良いペアになると思うんだよな。」
「……!」
頭にカッと血がのぼる。
ボクは渾身の力で高尾君を突き放して、彼女達の元へ足を進めた。
緑間君と彼女が良いペアになるだって?
そんな事、ボクは嫌だ。
認めない。絶対。
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「ふぅん、あの黒子がねぇ。」
黒子が足を進める後ろで高尾和成が、彼女を見つめる。
「おもしれーじゃん…!」
そう言うと彼は、ニヤリと口角を上げた。