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【黒子のバスケ】人を外見で決めては絶対いけません!

第14章 これは運命なのだよ



「緑間君。彼女から離れてください!」



黒子君が焦って駆けてくる。
ふう、助かった。
このまま連行されたら、死んでも死に切れなかった。



「黒子。邪魔するな。運命の2人を別つ者はおは朝占いしか許されないのだよ。」



「はあ?頭湧いてるんですか、キミ。一回生まれ変わった方が良いですよ。」



即座に黒子君が言い返す。
あーあ、出ちゃったよ心の声。
まあ、でも私も少し思った。
この人絶対おかしいよね。
何でこんな人と知り合いなの、黒子君。
あっ、バスケ繋がりだったか、忘れてた。




「…生まれ変わるなら、テレビになりたいのだよ。おは朝を見逃す事もないからな。…あ、それだとラッキーアイテム持ち歩けないという不祥事が起こるのだよ。」




あ、待って、この人真っ黒子様全然効いてない。メンタル強いっていうか、電波だ。人の話真っ直ぐに受け止めすぎて、背後の意味を考えない人だ。
黒子君も思わず呆れ顔だよ。ある意味尊敬するよ、緑間君。


「こんな奴放っておいて行きましょう。」


遂には奴になっちゃったよ。
もう面倒くさくなっちゃったんだね。

今度は黒子君が私の手を引く。
私より一回りくらい大きい手は、何だかちょうど良くて、私は自然と彼の手を握り返していた。
彼の手がピクリと動き、ぎゅっと握り返してくる。
何だか、今日はこのまま繋いで帰りたい気分だった。


「待つのだよ!……っうゎ!」


後ろでドサッと音がした気がする。
気になって振り返れば、緑間君が地面にうつ伏せで横になっていた。
…転んだのかな。何もないのに。


「大丈夫?」

一旦黒子君と繋がれた手を離して緑間君に話し掛ける。
彼は動かない。
えっ、死んだ?

少し心配になって、緑間君の元へ歩みを進めると、彼は突然此方へ顔だけ寄越した。
顔面を強打したようで、額に擦り傷が出来て血が滲んでいる。
何だか少し微笑ましくなって、彼の眼の前でしゃがんで視線を合わせた。
指を額に当たるか当たらないかのところで止めて、


「痛いの痛いの飛んでいけ」


なんて言ってみる。
少し子供っぽかったかなって笑って彼の顔を見た瞬間、少し驚いた。


「…………っ」


彼の顔は真っ赤だ。


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