【黒子のバスケ】人を外見で決めては絶対いけません!
第13章 眼鏡と鷹
「わぁ………」
黒子君に手を引かれるまま付いていき、暫くすると彼は立ち止まって、私に目を開けていいと言った。
言われるまま目を開けると、そこには一面の花畑。
自然と感嘆の声が出る。歩いて行ける場所にこんな所があったのか。ずっと住んでいるのに、知らなかった。
「ここ、ボクの母が好きな場所なんです。」
「そうなの?…お母さん、花が好きなんだね。」
「はい。」
黒子君が私をここへ連れてきた理由は分からない。
でも、多分だけど、さっきの出来事で暗い顔してた私を励まそうとしてくれてるんじゃないかな。
ちょっと嬉しい。
「邪魔、でしたか?」
風に揺られて散る花弁と共に黒子君の呟きが聞こえてくる。邪魔って、黄瀬涼太が迫ってきた時のことかな。
だとしたら、
「ううん、凄く助かった。あの時の黄瀬、怖かったから。」
ありがとう、と付け足し黒子君へ向き直る。
黒子君は少し複雑そうな表情を見せて、それから真剣な顔をした。
「…では、ボクにされるのは、怖いですか?」