【黒子のバスケ】人を外見で決めては絶対いけません!
第9章 ドリンクは美味しいのが一番
遅れて火神君と黒子君がやってくる。
火神君の息が切れていない事を考えると、黒子君のペースに合わせて走っていたのだろう。
「2人ともお疲れ。
水分補給してね。」
私が2人に駆け寄りドリンクを手渡すと、火神君は恐る恐るそれを手にとって口に含んだ。
「!、うまい」
成る程、リコ先輩お手製ドリンクの影響ね。
だって、みんな水筒持参してくるくらいだもんね。
周りを見渡せば水筒がちらほら。
これから用意しなくていいな〜なんて会話も聞こえてくる。リコ先輩聞いてたら殺されてたね。
火神君はのびてる黒子君を一瞥すると、「先行ってんぞ
」と彼に声を掛けてから自己練に取り掛かった。
「ボクも……、もらって、いい、ですか…」
息も絶え絶えで、地面にダウンした状態の黒子君が呟く。はい、どうぞ、なんて言ってドリンクを差し出そうとした時、そのまま腕を引っ張られて、バランスを崩した私は黒子君を押し倒す形で倒れてしまった。
「わ、何するの黒子く…」
顔を上げて驚いた。
目の前には黒子君の透明で吸い込めれそうな青。
なんて、綺麗なの。
あまりに佳麗な色で、時が止まったように思えた。
「黒子君、瞳、青空みたい。」
そう言って、黒子君の頬に手を伸ばしてかけて気がつく。
彼の顔は、真っ赤に染まっていた。青空と相まって夕焼けみたいだねなんて思って、はたと我に返る。
そういえば私たち。
「あっ、ごごごごごめんなさい!!!」
ビュンッと効果音がつきそうな程の俊敏さで黒子君から離れる。運が良かったのか、周りは自己練で夢中だ。
「わ、私、ゼッケン用意してくるから!じゃ、じゃあ!」
私はそう言うと、風のような速さでゼッケンを用意してある場所へと急いだ。
なんだか、心なしか頬が熱い気がした。