第4章 あんていく
連れて行かれたのは落ち着いた雰囲気のカフェであった。
店名は「あんていく」
なんとなくぐるりと周りを見渡してみると、その中に見知った顔を見つける。
「金木君」
金木君とは大学、学部が一緒で、とっている講義も似通ったものが多かった為に交流があった。
以前、カフェでバイトしているとは耳にしていたが、ここであったか。
彼は振り返り、私の姿と隣の人を目にすると、驚きの表情を見せた。
「◯◯ちゃんと……ウタさん…?」
ウタさん………?
ああ、この隣の人か。
金木君は私と彼の関係が気になる様だった。
少し警戒している様にも捉えられる。
「芳村さんに話を通すから、待ってて」
そう言うと、ウタ…と言うらしい男は奥の方に消えて行った。
どうやら、ここのカフェには喰種に関わる人がいるようだ。
話を聞いてもらえればいいのだが………
この後、なんと言おうかと思考をしていると、ウタさんとマスターらしき初老の男性、芳村さんが出て来た。
ウタさんは手招きをしている。
どうやら話は聞いてくれるらしい。
探してた安住の地が見つかるかもしれない。
私は期待に胸を膨らませ、彼らの元へ足を踏み出した ーーーーーー。