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【東京喰種】chouchou

第7章 喪失







子一刻、静まり返るアパートの中で、一つだけ明かりがついている部屋があった。きっとあそこだ。
よかった、まだ起きていたかと思い一室に近づく。


その時、むわりと血の濃くなるような臭いがした。
血の臭いはあの子の部屋からだ。


嫌な予感がする。


インターホンを鳴らしてみたが、反応は無い。
鍵は………既に開いていた。


恐る恐る扉を開けてみれば、噎せ返る程の濃い血の臭いに僕は眉を寄せる。玄関へと入り、周りを見渡すと、部屋の隅に蹲る彼女がいた。
声を掛けてみても体勢を崩す様子は無い。
一歩一歩と近付いて、目を見張る。


嫌な予感は的中であった。



彼女は、店で話していた彼を、彼の生首を
血だらけの腕でぎゅっと強く、抱き締めていた─────。

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