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文芸部×チア部

第9章 謝って!


私は演劇部の部室の扉をバンッと開ける。

手を握り、向かいあう紘夢と女、それを眺める鳴海くん。

紘夢がバッと女の手を離す。

「ナコ…どうしてここに…? えっとね…これは…」

私は紘夢の言い訳をさえぎる。

「紘夢は悪くないよ…。わたし聞いてたから。
鳴海くんにそそのかされて、この女にたぶらかされたんだよね」

私は女を指差す。

「えっ」

女が驚いた顔をする。

「違うんだ、ナコ。これはね…」

紘夢が口を挟む。

「紘夢は優しいから…。大丈夫、女同士で解決するね」

私は話す紘夢を制して、女の前に立つ。

「ちょっとあんた! 1年の分際で…誰の彼氏に手を出そうとしてるかわかってんの?」

「はぁ? あの…先輩…違います。誤解です…」

女が言い訳する。

そんなことで私をごまかせると思ってんの? 小娘。

私は負けずに詰め寄る。

「は? あんたさっき手握ってたよね? わたしの紘夢の手握ってたよね?」

「いやあのそれは…鳴海先輩! 逢坂先輩! 説明してくださいよ!」

小娘が男子に助けを求める。ちょこざいな…。

「これが嫉妬に震える女の情念だね! ついみとれてしまったよ!」

鳴海くんがのん気な声で言う。

「僕もつい…。ナコの愛の深さに感動して…」

紘夢はちょっと涙ぐんで言う。

「これは劇の練習です! 先輩!」

小娘が叫ぶ。

あっ

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