第9章 謝って!
学校に着いて教室で紘夢と一緒に宿題をやる。
というか、紘夢が解いてくれたものを私は自分のノートに写す。
「はぁ、出来た…。紘夢のおかげだよ。ありがとう!」
「どういたしまして」
私は彼にお礼を言う。
彼はにっこり笑って返事する。
さあ、ノート片付けて…
ガシャン
紘夢と私のペンケースが床に落ちちゃった。
「ごめんね!」
「あ、いや。大丈夫だよ」
私と彼はバラバラに混じった文房具を拾う。
イチゴの香りの消しゴムは私の…
分度器は紘夢の? なんで分度器?
キティちゃんのシャーペンは私の
クマくんのボールペンが2本…
これテーマパークでお揃いで買ったやつだ。
どっちがどっちのかわかんなくなっちゃったな…まあいいや。
「はい」
私は片方のクマくんボールペンを彼に渡す。
「あれ? これ、僕のであってるかな? 」
彼が首を傾げる。
「どっちでもいいじゃん。同じなんだから」
私はボールペンを自分のペンケースにしまって言う。
「まあ、そうだけど…」
納得しきれない様子で彼は頷く。
意外と細かいなぁ。