第9章 謝って!
翌朝。
いつもの公園に行く。
紘夢が落ち着かない様子で私を待っている。
「おはよう」
私は笑顔で声をかける。
彼は遠慮がちに口を開く。
「お、おはよう…。も、もう…許してもらえたのかな…?」
「許してあげる。わたしって優しいよね」
私はにっこり笑う。
「優しいぃ…。ありがとう…ナコ…」
彼が嬉しそうに涙目でお礼を言う。
ふふ…スッキリした。
今までのモヤモヤが晴れた気がする。
半分は八つ当たりだけどね。
でも紘夢の隠し撮りの件も許してあげるんだから、私って本当に優しいわっ。
…
放課後。
部活が終わってスマホをチェックしながら、文芸部の部室に向かう…
っと、紘夢からメッセきてる。
「演劇部の部室にいるよ」
だって。
演劇部に? なんでだろ?
まあ行ってみよ。