第9章 謝って!
「違う…違うんだ…! ごめん…ごめんなさい!
一般論というか、一般的に誤解されてるイメージというか…
そういうことが言いたいんじゃないかと思って…」
「どうかな…。もともとそんなふうに思ってるからヘラヘラそんなことを言えるんじゃない?
だいたいあんたも私たちの写真撮りまくってたんだもんね…。
パンチラも撮ってたんでしょ?
まあ、あれはパンツじゃないけどね!」
私は彼に怒りをぶつける。
彼は焦った様子で弁解する。
「確かに写真は撮っていたけど、決してパンチラが目的ではなくて…
ナコのイキイキした演技を…
確かにパンチラが写ったこともあったけれど…
決して誰にも見せたことなんてないし…」
「私たちはあんたたちみたいなスケベ野郎のために踊ってるんじゃない!
だいたい試合の応援に行ってもチアのユニフォームを着てるからって、何の断りもなくパシャパシャ写真撮ってくるヤツ多すぎ!」
私は彼の言い訳をさえぎる。
「僕はそんなことしないよ…」
彼がしょんぼりして言う。
私はさらに怒りがわいてくる。
「どの口がそんなことを…。隠し撮りしてたくせに!
謝って! わたしに謝って!
パンチラ目当てのカメラ小僧を代表して謝って!
無遠慮にカメラを向けてくるバカを代表してわたしに謝って!」
「ごめんなさい…許して…。
僕は…僕は…ナコに嫌われたら生きていけない…」
彼はすがるような表情で言う。
ふん。
「反省してる?」
私は彼に尋ねる。
「はい」
彼は素直に返事する。
ふむ。
「じゃあ…明日の朝までわたしに話しかけないで。メールも電話も禁止。
それが出来たら許してあげる」
私は彼に言いつける。
私がいないと生きてけないならこれが罰だね。
「寂しい…んっ」
しゃべり始める彼の口を私は手で塞ぐ。
「もう始まってるよ」
涙目で彼は頷く。