第9章 謝って!
紘夢と私、お互い部活のない日は紘夢の家で一緒に勉強する。
というよりも、私の宿題を手伝ってもらってる。
今日も……
「むにゃむにゃ……あれっ?」
机の上に突っ伏して寝てた自分に気づく。
「ん…紘夢…。それ、どうかした?」
私のカバンに付けてるマスコットを眺めてる彼に尋ねる。
あれはテーマパークに行ったときにお揃いで買ったもの。
小さいクマくんのぬいぐるみなの。
「えっ…。あぁ、えっとね。ナコのこれ、意外と傷が付いてるなぁと思って…」
彼がマスコットを持ち上げて言う。
「あぁ、部活でね。結構カバン投げるからかな?」
私は答える。
「えっ投げるのカバン…。投げちゃダメだよ、精密機械…スマホとかカバンに入れてるんだから…。
それに女の子なんだから、ね」
彼がちょっと引きながら言う。
「ふふっ、それもそうだね。
まーでも、チア部も体育会系だからねぇ。女の子の集団だから幻想を抱く人もいるけど…」
私は笑いながら話す。
彼もちょっと笑って口を挟む。
「あぁ、パンチラして踊ってる女の子たち…みたいな?」
「おい。今、なんて言った?」
私は彼の制服のネクタイをつかんで引っ張る。