第1章 チア女子
お弁当を食べ終わると、私は図書館に向かう。
ナコの根暗タイムってユキたちには言われてる。
学校で一人になりたいなんて信じられないらしい。
でも、ナコはこういう子だからって理解して放っておいてくれる。
私は友達のことは大好きだけど、この時間も大好き。
本を読んだり、勉強するフリしながら静かな図書館でぼんやり。
お昼にこういう時間があるほうが午後、特に部活でテンション上げていける。
今日は勉強するフリしながら、朝もらった手紙を見る。
封筒の差出人の名前を改めてもう一度眺める。
逢坂 紘夢
おうさか…ひろむ…
でいいのかな? 素敵な名前。
中の手紙も出して読み返す。
トイレで読んだときは慌ただしかったし。
改めてじっくり読む。
やっぱり素敵な文面。綺麗な字。
この手紙を彼が…。
私の胸がちょっと熱くなる。
男の人が書いていたんだ。
私は今までもらった手紙の内容も思い出す。
早く家に帰ってもう一度読み返したい。