第8章 君と僕との物語(R18)
彼の部屋に入る。
私は彼の肩につかまって、ちょっと背伸びしてキスする。
彼は私の腰に手をまわして、軽く引き寄せる。
私は顔を傾けて、彼の唇に舌を差し込む。
彼の舌と私の舌が絡む。気持ちいい…。
ゆっくり唇を離す。
私は彼の顔を見上げて言う。
「思い出した? わたしの気持ち…。
わたしあのとき多少は酔ってたかもしれないけど、言ったことは全部覚えてるし、全部本当だよ。
逢坂くんのことが大好きなの」
「うん…ごめんね。僕が自分に自信がない故に…。
僕も愛してるよ…ナコ…」
彼が私の制服のリボンをほどく。
自信がない…。
逢坂くんは自分に自信がないから不安になるのかな…?
なら身体を満たすより、先に心を満たすべきかも…?
逢坂くんに自信をつけてもらうにはどうしたら…。
私はブラウスのボタンを外されながら考える。
うーん…。あっ…!
「小説!」
「えっ?」
思わず言葉を発した私に、彼の手が止まる。
「逢坂くんの書いた小説、まだ読んでなかった。わたしに読ませて!」
彼は私のブラウスのボタンに手をかけたまま固まる。