第4章 夢をみた
「お昼休み、お弁当を食べ終わったら屋上で話そう」
って、メッセで逢坂くんを呼び出した。
私はちょっと緊張して屋上に向かう。
「ナコちゃん、また僕に会いたくなっちゃった? どうせだったら明日からお弁当も一緒に食べる?」
私を待っていた逢坂くんが笑顔で私を迎える。
「えっとね…。わたし話があって…」
「うん?」
彼の隣に座る。そして尋ねる。
「どうして人のスマホ勝手に見るの?」
「僕の見る? はい」
そう言って、彼はポケットから自分のスマホを出して、私に差し出す。
待ち受けは正門の前で、制服姿の私が嬉しそうにピースしてる写真。
これはちゃんと撮らせてって言われて、撮られた写真…。
「いいよ。見ない…」
私は彼のスマホを手で押し返す。
「そう?」
意外そうな顔して彼は首を傾げる。
「アドレスも勝手に消したりして…」
「だって必要ないでしょ?」
そう言って、彼はにっこり微笑む。
……。
負けちゃダメ! わたし。
「写真とかも勝手に撮るのやめて。隠し撮りみたいなことされたくないの」
少し強い口調で私は言う。
「いろんなナコちゃんが欲しくて…」
彼がなんかちょっとしょんぼりして言い訳?する。
「写真撮るなら言って。この待ち受け撮ったときみたいに。
わたしは写真撮られること自体は嫌いじゃない。黙って撮られるのがイヤなの」
「自然な表情が…」
話し出す彼を、私はちょっとにらむ。
「わかった…。了承を得てから写真は撮るようにする…」
彼が返事する。
あれっ? 意外と話が上手くいった?