• テキストサイズ

文芸部×チア部

第13章 みつけて(R18)


日曜。

今日は私の両親が出かけてて、夜遅くに帰ってくる予定なので、私の部屋でデート。

紘夢に何か特別なことをしてあげたくて、私は手作りクッキーを焼いてみた…ちょっと焦げた。

でもせっかくなので食べてもらう。

「わぁ、ナコが焼いたクッキーを食べられるなんて…感激」

彼が嬉しそうな顔をする。

「わたし一人で初めて作ったの。食べてみて!」

「うん!」

お皿から一枚、クッキーを取り、彼は口に入れる。

「どう?」

「…うん、うーん。香ばしいね。美味しい」

「うふ。よかった」

私も一枚食べてみる。

ガリッ

かたっ…!
焼きすぎると固くなるのか…。

「あ、あの紘夢、焼き加減ちょっと失敗したみたい。無理して食べないでいいよ…」

「ううん。味は美味しいよ、本当に。それに…僕のために作ってくれたんだよね。すごく嬉しいんだ」

彼が優しく微笑む。

紘夢のこういうとこ大好き。嬉しいな。



「ねぇ、ナコ。子供の頃の写真とかある?」

彼が私に尋ねる。

「あるよ。アルバム見る?」

私がそう言うと、彼は嬉しそうに頷く。



「んー…これは幼稚園の遠足かな。えっと、わたしは…」

「この子だね? すごく可愛いからすぐわかった」

彼が私より先に、写真の中の幼稚園児の私をみつけて指差す。

「そうそう、これこれ。懐かしいなぁ」

アルバムのページをめくり、あれこれ写真を見る。

最初はテンション高くはしゃいでいた紘夢だけど、次第にトーンダウンしてきた。

/ 144ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp