第11章 目の前のことが知りたいの(R18)
舌を絡ませてキスする。
私の舌が、彼の口の中に、身体の中に入ってると思うと興奮する。
そっと唇を話す。
私は彼の首すじに、ゆっくり舌を這わせてみる。
「ひ…ひゃっ…あ、あの…ちょっと待って」
彼が声をあげる。
「気持ちよくない?」
私は彼の顔を見上げて問いかける。
「あ…あの…多分、気持ちいい…。でも、ちょっと待って…」
「うん」
私は彼の顔を見上げたまま待つ。
……。
「うん、大丈夫…ベッドに行こう…」
「うん?」
私は首を傾げる。
今の間になんの意味が。
彼は立ち上がり、制服のネクタイをほどく。
男の人がネクタイ引っ張ってほどくのって、なんかかっこいい。
今度、私もやってみたいな。できるかな?
私も制服のリボンを外して、胸ポケにしまう。
紘夢にうながされて私も立ち上がる。
「よいしょっ」
彼が私をお姫さま抱っこで持ち上げる。
「ねぇ、よいしょとか言わないと持ち上がらない? わたし」
照れ隠しで苦情を言う。すごく嬉しいんだけど。
「いや。重くないよ、全然。でも、僕、文芸部だからね…。チア部の子たちは笑顔で軽々ナコを持ち上げて本当すごいよね。尊敬する…」
彼がしみじみ言う。
なんかそんなにしみじみ言われたら、私が本当に重いみたいじゃん!
紘夢ってロマンチックなのか無神経なのかよくわかんないときある。
優しいのは確かだと思うけど。