第11章 目の前のことが知りたいの(R18)
放課後、紘夢の部屋で宿題をする。
紘夢が教えてくれるから早く終わる。
「でーきたっ」
私はノートを閉じて、頬杖ついて、紘夢を見上げる。
次は何して遊ぶのかな…うふ。
「ねぇ、マックでも行かない? 昼、あんぱんしか食べてないから物足りなくて」
紘夢がニコニコして言う。
「えぇー…」
せっかく部活なくて、宿題も早く終わったのに?
「ナコ、お腹減ってない? コーヒーおごるよ。ソフトクリームとか…」
紘夢がちょっと考えて言う。
そんなのよりぃ…。
私は紘夢の身体に抱きつく。
「しないの?」
座ってる彼の膝に乗っかって、首の後ろに手を回して、彼の目をじーっと見上げる。
「えっ…ええっ…?」
彼が驚いた声をあげて、顔を赤くする。そして言う。
「何か飲んだ…?」
「酔っ払ってないもん!」
私は頬をふくらませる。
「したいの…?」
彼が私の目をのぞいて尋ねる。
「んー…うん」
私は正直に頷く。
「紘夢はしたくないの?」
「しっ…したいけど…。初体験すませたからって、そればかり求めたら嫌われるって…明神に借りた本に載ってたんだけど…」
「明神くん? 誰だっけ?」
「B組の…って、知らないのなら知らなくてもいいよ」
「そんな本より、わたしを見て」
「え…」
「わたしは紘夢のこと、もっと知りたい…。紘夢は?」
「知りたい…けど…ナコ、痛かったんじゃ…」
んー…
「うん。ちょっと…痛かったけど…」
あぁ、もう面倒くさい。
私は彼の唇に唇をつける。