第2章 はじまりと決意
「・・・沙織様、この度はクダリがご迷惑をお掛けしてすみませんでした。」
「いえ。こ、こちらこそ助けて頂き有難う御座います。」
・・・クダリさんのかました消毒液が傷口にクリーンヒットしたことで、私はそれこそエコーボイスのような叫び声をあげたのだった。
それによって、クダリさんも私も戦闘不能に・・・。
そこに丁度良くノボリさんが帰ってきて、クダリさんはお説教をくらった、という状況である。
「沙織様、お怪我の方は大丈夫ですか?」
「はい。有難う御座います。手当てまでして貰って・・・」
ノボリさんの入れてくれたコーヒー(砂糖多め)を頂きながら、私はこれまでの経緯を話した。
(・・・このコーヒーうまっ!)
「・・・それで、なぜポケモンをお持ちになっていないのですか?」
「はい?・・あ、それはですね・・・。その~。」
コーヒーに夢中になっていた私は慌ててカップをデスクに置くと、苦笑しながら告げた。
「私、違う世界から来たみたいです。すいません。」