第2章 はじまりと決意
ギアステ内の休息所
「あ、僕クダリ!サブウェイマスターしてる。」
・・・私は今、トリップと言うものを確信した。
「あ、ありがとうございました。助かりました。」
息を整えてお礼を言う。落ち着くと共に、右腕の痛みが強くなってきて片方の手で押さえた。
「?・・君、名前は?ポケモンも持ってないみたいだし。」
「・・・沙織。月島沙織です。」
「沙織ね。ところで何処に行くつもりだったの?・・・沙織?」
クダリさんが聞いてくるが腕が痛くて答えられない。必死に声を押し殺すが限界が近づいていた。
「どうしたのさ。黙っちゃって・・・うわっ!すごい傷!何で黙ってたのさ!」
・・・ばれた。いや、別に隠そうとしていたわけじゃ無いけど。
そうこうしてる内にクダリさんは救急箱を出し、消毒液をかけようとしている所だった。
「いやぁぁぁぁっ!!クッ、クダリさん!まっ・・・」
私の必死の抵抗も虚しく、傷に消毒液が直撃したのだった。