第1章 感情の整理
「っ!・・・す、すいません。」
ぶつかった所が傷の場所というのもあって、痛みに顔をしかめた。・・・それがいけなかった。
「なんだぁ?その顔は?ちゃんと謝る気あんのか?」
いや、謝ったから。と言いたいが私は我慢してただ「すいません」と言う。
「なめてんのかコラァ!!」
殴られる。
私は目を閉じて腕で頭を庇った。
「おやめくださいまし。」
辺りがざわつく。そろりと目を開けると、殴ろうとしていた男の手を黒いコートの人が後ろから掴んでいた。
あれは確か・・・。
そう考える暇も無く私は右手を掴まれた。
「ここ、目立っちゃうからとりあえずきて。」
そう言うなりぐいっと引っ張るもんだから右腕に激痛が走り、私はたまらず「うっ・・・」っと声を漏らした。
だが、その人は気づく様子が無くそのまま地下へと降りていった。
「ふぅ。ここなら大丈夫。関係者以外これない。安全!」
眩しい笑顔でピースしてくるこの人は、さっきの人と顔がそっくりで白のコートだった。
「ハァ・・・ハァ・・・。ありがとう、ございます。」
息切れをしていても私の頭は働いてくれた。
「あ、僕クダリ!サブウェイマスターしてる。」
この人達が、あの有名なサブマスだ。