第3章 不調。
私はデモ音源を七海さんに貰った。
歌詞は脚本の方が物語にあった
歌詞を書いてくれる…ということであった。
それから、
私は撮影に戻った。
私と美風さんの不調から
撮影はあまり進まなかったが、
今までが順調なまでに進んでいたので、
大丈夫だと、監督さんはおっしゃってくれた。
撮影が終わると、
私は美風さんに話しかけた。
「おつかれさまです。」
「ん。おつかれ。」
美風さんは相変わらずのポーカーフェイスだった。
「あの、今日この後ご予定とかありますか?」
「なんで?」
美風さんは不思議そうに私を見た。
「いえ…えと、七海さんから劇中歌のデモ音源貰ったので…少し歌ってみて、聞いてもらいたいなって…」
私がそういうと、
美風さんは考え込むようにうつむいた。
「わかった。いいよ。本当はメンテナンスの予定だったけど、別に体に不調とかないし…」
「ん?メンテナンス…?」
また聞き慣れない言葉。
体調管理的な事かな?
「でも、なんで聞いてもらいたいの?」
美風さんは不思議そうに私を見た。
「あぁ。すいません。私、バラード歌うの初めてで…ちょっと不安なんですよね…。美風さんはバラードも歌われているのでアドバイスとかもらえたら…。」
「あぁ、そういえば柚子の曲はポップな歌が多いもんね。」
「はい。」
「わかった。じゃぁ、今からスタジオ行こう。」
「はい。」
そうして、私たちは
美風藍のスタジオへと向かった。