第3章 不調。
「ふふっ!的中ですね。」
四ノ宮さんは相変わらずニコニコとしていた。
「そんなに変…でしたか?」
私は赤くなった頬を押さえながら二人を見た。
「んー。なんつーか、演技してる時、めちゃくちゃ恥ずかしがってるように見えた。」
来栖さんはニヤっと笑っていた。
「…はぁ。きっと美風さんに怒られてしまいますね…。」
私がそういうと、
二人はキョトンとした。
「ん?お前何言ってんだ?」
「へ?」
「藍ちゃんが…ですよ!」
四ノ宮さんはニコニコと笑いながら言っていた。
「へ!?」
気付かなかった。
そういえば、カットかかった瞬間目を
逸らされたりとか…
いつもと違う気がした。
「今日のNGの原因はあなただけではないですよ。」
四ノ宮さんはクスクスと笑っていた。
「ま!がんばれよ!応援してるぜ!」
来栖さんは私の頭をワシワシと撫でた。
「…はい。」
そうして、
二人は出て行った。
私はお弁当を食べ終わると、
単独のシーンを撮影している
美風さんの姿をじっと見つめて居た。