第1章 999回目の失敗。
着替えて、移動車に乗り込む。
マネージャーが次の予定を読み上げる。
「じゃ、次は映画のオーディションだから!台本は覚えてるよね?」
「…はい。」
「結構有名な監督の作る映画だから出れたら一発逆転だからね!がんばるんだよ!」
マネージャーはニコニコとしながらこちらを見ると、
正面を向き、車を発進させる。
正直、
演技は得意ではない。
今までだって何度だってオーディションに落ちてきた。
もう、999回は落ちている気がする。
1000回目は受かる!なんてありえない。
そもそも映画のオーディションなんで
所詮出来レース。
どうせ最初から配役なんて決まっている。
私達はそれの盛り上げ役…。
"ヒロインは1000人のオーディションから選ばれました!!"
その話題性が欲しいだけ。
私はそんなシンデレラガールには
決してなれない…。
そんな事を考えながら
私はオーディションを受けた。
審査員の反応は悪くなかった。
でも…
後日届いた結果は…