第3章 不調。
「美風さんのその気持ち…少しだけわかる気がします。」
私がそういうと、
美風さんは目を輝かせた。
「目標は達成したけど…私はこれからも一緒に美風さんと一緒に居たいです。」
私がそういうと、
美風さんは驚いたような顔をした。
「ねぇ、柚子。今、僕に不思議な事が起こったんだ!」
「…?」
「君のその言葉で、苦しかった胸がすっと軽くなった。何でだろう…すごく暖かくて…嬉しいって言うのかな…こういうの。」
美風さんは今まで見たことがないくらい
嬉しそうに笑った。
その笑顔に
胸がドキドキと走った。
…あれ?
もしかして…
私…
美風さんの事…
好きになってる!?
思わず、美風さんから目をそらしてしまう。
美風さんは相変わらず嬉しそうに
ニコニコと笑っているようだった。
「ねぇ!柚子!僕は嬉しいって感情を理解できたんだ!」
そう言って美風さんは私をぎゅっと抱きしめた。
「うひゃ!?ちょ!まっ!」
私は思わず動揺から美風さんを突き飛ばしてしまう。
「あ…ごめん。」
美風さんは申し訳なさそうに
その場に立ち尽くした。