第2章 初めてのキス。
物語は丁度、
ちょっとした誤解から、
ヒロインと男の子が喧嘩してしまうシーンからだった。
ゲームの物語を進めていく。
美風さんが後ろから腕組をして
じっと見つめている。
『お前の顔なんて二度と見たくねぇ!』
そう言って男の子はその場から駆け出した。
ここでゲームの選択肢が出る。
『追いかける』
『ほうっておく。』
私は迷わず、
『追いかける』を選択する。
「ちょっと待って。何で追いかけるの?」
美風さんが不思議そうに私に尋ねる。
「へ?」
その質問に思わず驚く。
「だって、"お前の顔なんて二度と見たくねぇ!"って言われたでしょ?追いかけたらもっと悪化しない?」
美風さんは眉間にシワを寄せる。
「いや、ここで追いかけてちゃんと誤解を解かないと…それに彼だって本当に思ってないですよ。」
「誤解に関してはわかったけど、どうして思ってもない事を言ってるってわかるの?」
美風さんは不思議そうにしていた。
「…多分、彼は好きだからこんなに怒ってるわけで…本当に二度と顔も見たくなかったらわざわざこんな捨て台詞吐かない気がします…。」
私がそう説明すると、
美風さんはまだ納得していなかったようだったが
黙り込んだ。
私は物語を進める。
ヒロインと男の子の間の誤解は解け、
二人は喜びあい、キスをする。
「変なの。」
美風さんは眉間にシワを寄せていた。
「…でも、コレが恋ってやつなの?」
美風さんはそう尋ねる。
「はい。」
私がそういうと、
美風さんはもっとやってみてと
ゲームの続きを催促した。