第2章 初めてのキス。
「笑わないで下さいよ。」
私はそう言いながら、
ゲームの電源を入れた。
そして、画面を美風さんの方へ向けた。
「私、このゲームのこのキャラが好きなんです。」
私は恋愛ゲームの大好きなキャラを指差した。
美風さんはまじまじと画面を見つめる。
「…君はつまり…機械に恋してるの?」
美風さんは眉をひそめてそう言った。
「うぅ、違います!確かに機械の中に居ますけど…このキャラが好きなんですっ!好きって言ってくれるし…」
私が強く言うと、
美風さんは不思議そうな顔をしていた。
「どうして?その機械には感情がないはずだよ?どうして好きになるの?」
美風さんは真顔でそう聞いた。
「んー…確かに彼自身には感情はないけど…でも、本当に恋してるような気分になるんです。」
我ながら…
痛い事言ってるなぁと思いつつ、
大好きなキャラをバカにされたようで思わずムキになる。
美風さんはじっとゲームの画面をじっと見つめた。
「ちょっとやってみてよ。」
美風さんは私に催促した。
私はセーブしていたところから
ゲームを開始させた。