第2章 初めてのキス。
「はい!じゃ!撮影はじめまーす!」
騒がしかったスタッフ達が
一気に静かになる。
"カンッ"
その音を合図に撮影がはじまる。
セリフを順調に重ねていく。
そして、キスシーンにさしかかった。
美風さんの手が頬に触れる。
私はじっと美風さんを見つめる。
美風さんの顔が一気に近づく。
「うぅ!ちょ、ちょっと待って!」
私は思わず、美風さんを止めてしまう。
"はい!カット!"
その声で一気に再び辺りが騒がしくなる。
「…すいません。」
私は頭を下げた。
美風さんは無言で
私をじっと見つめて居た。
「んー。藍ちゃん、少しがっつきすぎに見えるかなー!間を大切に行こう!」
監督がそういうと、
美風さんは「わかりました。」と一言言った。
再び撮影が行なわれる。