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Blue Moon☆うたのプリンスさま♪

第2章 初めてのキス。


「ねぇ、この役は君にとって難しい?」
美風さんは相変わらずの無表情で唐突にそう聞いた。

「…そうですね。感情がないっていう感覚がわからないですから…やりにくくはあります。」

私がそういうと、
美風さんは不思議そうに私を見つめた。

「感情を失くすってそんな難しい事?」

…もしかして、
ダメ出しされているのだろうか…。

「…うぅ。はい。私にとっては難しいです。」

「そうなんだ。僕は逆だな。感情って概念がわからないから…この役は難しいよ。」
美風さんはそういうと溜息をついた。

美風さんなりのジョークなのだろうか…?

「僕達は逆だったら上手く行っていたかもしれないね。」

そう言って美風さんは静かに笑うと、
席を立った。







あれ?

やっぱり演技力に関して
ダメだしされた!?

それってつまり、
"僕だったらもっと上手くやる"って意味?

なんだかモヤモヤしたまま
撮影が終了した。

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