第2章 初めてのキス。
撮影初日。
私は最初のシーンの撮影に挑んだ。
練習しただけあって、
なんとか上手く行った。
休憩時間。
私は一人でお弁当を食べていると、
美風藍がやってきた。
「あのさ、昨日の事なんだけど…」
相変わらず無表情でそういうと、
私の目の前に座った。
「…悪かった。見た動画の情報が古かったみたい。今日の君見てるとそんなに演技ダメじゃなかった。」
美風さんはボソボソとそう言った。
「…ありがとうございます。」
私がそう会釈すると、
美風さんはお弁当を食べる私をじっと見つめた。
「…あの?」
「それ、自分で作ったの?」
美風さんは私のお弁当を指差す。
「はい。キャラ弁です!」
私は自慢気にお弁当を見せる。
「キャラ弁…?ちょっと待って調べるから…。」
そう言って美風さんはしばらく黙り込み、
その後「あぁ。なるほど。」と納得したようだった。
「今の女の子はそういうお弁当を作るの?」
「うーん…私は単純にこういうの作るのが好きだからであって…。」
「…ふーん。そっか。」
美風さんは納得したようだった。
再び沈黙が訪れ、
美風さんはお弁当を食べる私をただ見つめて居た。
…気まずい…。