第5章 理事長と対面
智明が丁寧に説明をし雪も自分の置かれる立場を理解していった。
「それって、いけないことでは・・・?」
「本来は出来ないしダメなんだけど西條理事だからね。」
困ったように笑う智明に雪は昴を見る。
「そういうわけだ。雪ちゃん。これから大変だろうが慣れてくれ。
もちろん君がSランカーだと気づかれないようする。
紹介しよう、君のクラスメイトになる東條翔(トウジョウカケル)くんだ。」
昴は机の前にいる男子生徒を指す。
「彼は東條家の息子だが後継者ではない交友交換生徒でね。クラスは戦闘型のCランカーだ。彼には君の事情を話してあるから頼るといい。」
「はじめまして、翔です。」
翔は雪と目が合うとフワリと笑った。
7:3にセットされた髪と着崩さない制服から清潔感が漂う美少年だった。
「...よろしくお願いします、雪です。」
何と答えようかと迷ったが無難に返し同じ様に笑って見せた。