第5章 理事長と対面
「さて、早速だが君の今後のことが決まった。」
スッと目を細めて昴は雪を見る。
部屋が僅かに緊張に包まれる。
「生活に慣れ、レガンスを扱えるようになるまで此処、聖西院(シャンシャイン)学園高等部2年生徒会執行部所属とする。」
「?」
「っおい、どういうつもりだよ!」
雪より早く反応したのは隣の零だった。
昴は息子を涼しい顔で見やり美鈴に合図しモニターを出させた。
「チェック結果は聞いているよ。4つのレガンスを有するみたいだね。
此処での生活に慣れたら、各エリアに移動してジーノを見てもらうことになっている。
そのため君には一刻も早くレガンスを本来の力で扱えるようになってもらいたい。
生徒会執行部はこの学園で1番レガンス使用が多いからね。」
「西條理事。そんな荒療治する必要はないのでは?」
「何を言っている、智明。4つレガンスのうち1つぐらい扱うだけなら必要ないだろうが、ジーノが望むのは4つのレガンスを扱えることじゃないか?
持つべくして持った力だ。
彼女がどんな未来を描くにしても必要になるだろう。」
智明は爪が食い込むほど拳を握りしめる。
きっと何を言ってもこの決定には逆らえない。