第2章 フィールと契約
同時刻、雪も風を受けていた手を下ろした。
「っ・・・?」
辺りの騒音もアスファルトの固さも感じられなく、困惑しながら目を開けて息を止めた。
自分が立っているのかわからなくなる、上下左右真っ白な空間に一人でいたのだ。
「れ、れお・・ん?」
すぐに幼馴染の姿を探すが自分以外の人影はない。
非現実な出来事に思考が止まりそうになるが雪は必死で考える。
自分の身になにが起きているか…。
原因は直前の風だろう。
風に人を運ぶ力があるわけないが、もし風を受けてこんなとこいるなら・・・。
雪は大きく息を吸い込む。
「誰!?いるのでしょう?」
風を利用した誘拐犯の仕業だと雪は結論つけた。
この場所も精神かく乱を狙って犯人が真っ白に塗りつくしただけだろう。