第5章 理事長と対面
本当に一瞬で、瞬きをしている間に違う場所へ移動したと実感したのは装置から出たら景色が違ったからだ。
「確か地球にはこういうのないんだっけ?技術型が発明して作ったりしてるんだ。」
呆然としてると小さな声で智明が説明してくれた。
技術型のレガンス・・・これはすごい。
関心して歩いていると一際大きな扉の前で止まった。
「雪、近くへ。」
「?はい。」
零に呼ばれ隣に立つ。
「この部屋に父さんがいる。隣にいろ。」
「わかりました。」
少し肩に力が入る。
條家のトップ。つまりは大統領のような人なのだろう。
扉の横には“理事室”と書かれているから兼任しているのかもしれない。
大統領が理事長を兼任する辺りも世界観の違いかな。
関心している間にすでに扉が開かれていった。
中に入ると一つだけ置かれた机にダンディーな男の人と、その前に美鈴さんと同世代ぐらいの男の子が1人控えていた。
壁は一面ガラス張りで男の人が使っている机以外には壁に本棚があるだけだった。
床に引かれた赤いカーペットが目に付くただ広い部屋だった。